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学校だより第3号

火曜日「読書の日」について

「これ読んだら、チョコレート博⼠になれるわ!」1年⽣の教室から、元気な声が聞こえてきました。覗いてみると、男の⼦がチョコレートの本を抱えています。どうやら図書室で借りてきた直後のようです。6⽉18⽇から、⽕曜⽇を「毎週⽕曜⽇『読書の⽇』」とし、原則として他の宿題を出さず、家庭での読書を推奨していますが、お⼦様のご家庭での様⼦はいかがでしょうか。
この「読書の⽇」は、次のようなことを主なねらいとして導⼊しました。

受け⾝の学習から主体的に取り組む学習へ

物事に受け⾝ではなく、主体的に取り組むためには、⾃ら決めることができる、⾃⼰決定の場⾯が必要です。特に受け⾝になりがちな家庭での学習をより主体的な学びにしていくために、中学年から⾼学年では⾃分で課題を決めて取り組む「⾃主学習」を取り⼊れるなど、⼯夫を凝らしているところです。

読書には、何を読むかに始まり、どのくらいの時間をかけ、どこまで読むか、ここは繰り返し読むか、あるいは読みとばすかなど、自⼰決定の場⾯がたくさんあります。今回読書の⽇を設けたのは、読書にゆったりと親しむ時間をとる中で、⾃分で決めたことに取り組む経験を積み重ねることで、その姿勢を認め伸ばしながら、読書に限らず学習全般に主体的に取り組む姿勢を育てたいと考えたことが⼤きな理由です。

「どれにしようかな。」読書の日、持って帰る本を選んでいます。

また、あえてドリル型の課題を出さない⽇を設けることで、ドリル学習の⼤切さにも気づき、⾃分の⼒を⾼めるために必要な学習に進んで取り組もうとする姿勢にもつながっていくことを、少なからず期待しています。

なお、時間に余裕がある場合には、読書だけでなく⾃分で決めた課題に取り組むことも⼤歓迎です。ご家庭でも、主体的に学習に取り組む姿が⾒られた場合には⼤いに賞賛するなど、ご⽀援いただければ幸いです。

読書を家庭での過ごし⽅の⼀つに

読書と学⼒との関連については、全国学⼒・学習状況調査において、家にある本の冊数が多い児童、読書が好きと答えた児童ほど、教科の平均正答数が⾼いという結果が報告されています。また、東京⼤学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所の共同調査(2023年)では、読書時間の⻑い⼦供は、⾃分の能⼒について理解や思考、表現などが得意と答え、⽂化体験や調べる活動を多く⾏なっているという結果が⽰されました。これらはあくまで相関関係であり、読書をすると学⼒が⾝につく、という因果関係を証明するものではありません。しかし、同調査での個⼈変化の追跡(⼩1から中2)によると、⼩学校低学年の段階で読書時間の⻑い⼦供は、その後も継続して多く読書をする傾向があるとし、読書の学⼒への効果を期待する前提として、まずは読書時間を確保し、読書習慣を⾝につける必要があることを⽰す結果となっています。

「本を読みたい」という⼦供の気持ちをひき出すため、学校ではボランティアの⽅の読み聞かせなど、様々な読書推進の活動を⾏っています。読書の⽇を契機に、ゲームやネット動画など様々な誘惑はありますが、「本でも読んでみようかな」と、家庭での過ごし⽅の⼀つとして進んで読書を選択する機会が増えることを願っています。

⼦供と向き合う

担任は、毎⽇宿題の提出状況の確認や答え合わせ、間違った問題に再度取り組ませるなど、休み時間や空き時間を使って宿題の整理を⾏っています。今回思い切って読書以外の宿題のない⽇を設けたことで、宿題の整理のない⽇が⽣まれました。これも読書の⽇の利点の⼀つと捉え、⽬の前の⼦供たちにしっかり⽬を向け、話に⽿を傾けるなど、⼦供に向き合う時間に充てたいと考えています。

⽕曜⽇「読書の⽇」、ご協⼒よろしくお願いします。

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