林雲谿奨学賞授与式に引き続き、修了式を行いました。
代表児童に終了証を授与しました。
学校長が、式辞として次のことを述べました。
6年生のみなさん、修了おめでとうございます。
昨年度の修了式で、まず初めに話したことを思い返してみると、新型コロナウイルス感染症対策により、修学旅行が2度も延期になったこと、県や市の陸上や水泳などの大会、音楽会などもほとんどが中止となり、力を発揮する場を設けることができなかったことなどについてのお詫びでした。当時の6年生の気持ちを思うと本当に、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。今年は感染症対策を工夫することで、様々な活動が再開されました。学校内の集会活動や学校行事においては、まだまだ窮屈な思いをさせてしまったかもしれませんが、県や市の大会も実施され、そのなかで力いっぱい取り組むみなさんの姿を見ることができたことは、本当にうれしいことでした。とりわけ、私が感心したのは、各活動に取り組むみなさんの姿に、感謝の気持ちが感じられたことです。やりたいと思ってもできず、くやしい思いをした先輩たちの姿を見てきたみなさんには、なにごとも当たり前と思わず、なぜそれができるのか、どんな人たちの支えがあってできるのか考えようとする姿勢が身についたのではないでしょうか。特に、修学旅行でのみなさんの態度は、立派なものでした。
卒業式の練習では、みなさん全員が証書授与の際、しっかりと私の目を見てくれています。まさに呼びかけの一節「まっすぐな中学生になります」との思いが伝わってきます。
「夢に向かって努力する、まっすぐな中学生」、この言葉に関係したお話を、明日の卒業式の式辞ではお話しします。また、PTA広報紙ヒマラヤ新聞にも、私はみなさんに向けてこの言葉に深くかかわる話を、書きました。私の中学校のときの同級生、サクライ君という友達の話です。彼は、夏休み、冬休みになると、毎朝、足腰を鍛えるためのランニングを行いました。大体4キロの道のりです。当時所属していた卓球部で、卓球が強くなりたい、という一心で、人に言われるでもなく、自分で決めたことを実行したのです。決めたことをやり通す、これには本当に強い意志が必要です。いかにも、彼は「まっすぐな中学生」でした。これだけでもすごいのですが、実はこのサクライ君にはもう一つサクライ君らしいエピソードがあります。それは、彼が高校生になったときのことです。中学校では必ずヘルメットをかぶるように指導されていましたが、当時は高校になるとほとんどの人がノーヘルで自転車通学していました。坊主頭だった中学校ではまだしも、高校でヘルメットをかぶるのはたまらんとヘルメットをかぶらない中、このサクライ君は、ヘルメットをかぶっての自転車通学を続けたのです。私は、「なんでかぶれって言われんのにかぶるん?」と聞いたことがあります。彼の返事はこうでした。「かぶったほうがええとおもうけんかぶるんじゃ。」彼はおそらく、まっすぐな中学生からまっすぐな高校生になり、そしてまっすぐな人生を歩んでいることでしょう。
もちろん、まっすぐに進むことが難しいこともあります。少しくらい曲がっても、Uターンしてもいい、太くても細くてもいい、ゆっくりでもいいので、自分らしい何かを見つけ、進んでください。
夢に向かうことについては、また明日、式辞でお話します。
今日は通知表をご家族といっしょに見て、今年1年をじっくり振り返り、しっかり休んで、明日の卒業式を迎えてください。
森山小学校長三橋孝史