五万回斬られた男
福本清三さんという俳優がいます。ネット検索していただけると顔が出ますので、「ああこの人か・・・」とほとんどの方がわかるし、見たことがあると思います。
この福本さんのことが2年生の道徳の教科書に出ています。主役ではなく、脇役として俳優人生を送った生き方について紹介されています。福本さんの人生について知った生徒の感想を紹介します。
●目立つことだけがよいことではなく、自分自身にどれだけ誇りを持って仕事ができるか。どれだけこだわりを作って携わることができるか。それを持つことが必要だと知りました。
●一瞬の出来事に全てをかけられるところが、とてもかっこいいと思いました。切られ役にこだわり、死に方の技術を勉強したからすごい映画に出られるようになったんだなと思います。主役だから頑張れるのではなく、脇役だからこそ頑張るという姿勢がいいと思いました。
●自分の生きがいについて考えてみました。僕の考えた生きがいというのは、日々の生活です。日々の生活があるからこそ、楽しいことがあるからです。福本さんのこだわって生きがいを持つという生き方にとても心を動かされました。
●福本さんはいい意味で頑固なのかと思いました。斬られ役にこだわって今まで生涯をかけてやり続けてきたのは本当にすごいと思います。自分は今したいことがないけれど、やってよかったなと思えるような人生にするために興味のあること、好きなことを探そうと思いました。今ある人生、残り何十年生きられるかわかりません。年を取ったとき後悔のないような人生にしていきたいと思います。
●「脇役」と聞いて「どうせなら主役」と思う人がたくさんいると思う。それはいろいろな人に対して失礼だなと思った。主役も脇役も編集している人もみんなその仕事に敬意を持っているから、どの仕事が1番偉いとかそんなのはないと思う。だからその作品の中でどれだけ功績を残そうと、その人だけをたたえるのは違うとこの学習を通してわかった。
●誰も見ていないところや陰で人のために一生懸命頑張っている人はかっこいいと思いました。映画で主役など、目立っているのは陰で頑張っている人がいるからだとわかりました。
※中学生になると、自分に何ができるんだろう。誰かの役に立てるのだろうか・・・と、自分の価値や意義について考え、必要とされる生き方をしたいと考えるようになります。陰で頑張っているという表現もありました。誰にも知られないよい行動を「陰徳」と言いますが、長く成功するには陰徳が欠かせないと聞きます。そこまで考えた生徒がいたこともすごいと思いました。
各学年通信の裏面には道徳でどんな学習をしているのか紹介しています。ぜひ、目を通していただけますようお願いします。