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徳島市富田中学校

♪ 気づかないうちに助けられてきた何度も何度もそしてこれからも数え切れないやさしさに出会ってきた・・♪

 3月24日,令和4年度の修了式が終わりました。1年生と,2年生が一緒に体育館に入って,久しぶりに,テレビ放送でない修了式ができました。(本校は,スタジオからのアナログテレビ回線が張り巡らされているので,新型コロナの影響で全校集会ができくなって以来,体育館の集会の代わりは,ZOOM等のネット回線ではなく,スイッチオンですぐつながり,電波状況により画面がフリーズしたりしない,校内テレビ放送をフル活用しています)
テレビカメラに向かってしゃべるのではなく,子どもたちの表情を見ながら話すのは,格段に気持ちも入って,話しやすいです。生徒は体育館の床に座っているので,この日は寒くはなかったのですが,できるだけ短縮バージョンで話したつもりですが,次の内容を気合いを入れて(!)古ぼけた頭にたたき込んで話しました。9割くらいはこの通りに話したつもりです。
「令和4年度修了式」
 今代表の人に渡した修了証書は,令和4年度の富田中学校の学習を全て終えたという証です。このあと教室で受け取る通知表を見て,この1年間の自分の頑張りを振り返ってみてください。反省すべき点やよく頑張った点,いろいろ見えてくると思います。もっと頑張らないといけないと思った点は,早速今日から取り組んでください。
私は,皆さん一人一人に担任の先生が書いてくれた所見を,全て見せてもらいました。それを読んでいると,いかに担任の先生が皆さんのことを良く見て,そして応援しているかが短い文章ではありますが,とてもよく伝わってきました。これからの生活にしっかりと生かしていってください。
さて,二週間前,この体育館で富田中学校の76回目の卒業式が行われ、ここから3年生が立派に卒業していきました。在校生は,送辞を述べてくれた代表の人以外,参加はできませんでしたが,皆さんがお世話になった3年生を思う気持ちが十分に届いたかのように,素晴らしい天候のもと,厳粛な中にも感動的な卒業式ができました。
卒業した3年生は,中学校生活の大部分を新型コロナの感染拡大の影響を受け,多くの制限があり,辛抱を強いられた学校生活ではあったものの,先輩達はこの富田中学校で過ごせたこと,すばらしい仲間や先生,そして後輩達に出合えたことを誇りに思います,と言って卒業していってくれました。それを受けつぐ,皆さんは,その卒業式が終わってから5日後にこの体育館で、皆さんが中心になって、全校集会を開いてくれました。全員が静かに体育館に入って、生徒会が集会をすすめ、これからの皆さんの心構えなどについての話をしっかり聞けたときいています。その時の思いを忘れずに、来月入ってくる新入生を迎えてほしいと思います。
皆さんが期待と不安いっぱいで富田中学校の校門をくぐった,2年前,1年前,その時に感じたこと,そして部活動や生徒会活動で先輩を見て感じたこと,その時以上の期待感や安心感をこれから入ってくる後輩達に与えてください。そのためにも,この春休み,この1年間の勉強はもちろんのこと,学校生活を振り返り,1年生は,富中の中核としての強い意志を,そして2年生は最上級生になる自覚と共に,進路を決定する,自分の今後の進む方向を決める大切な学年であるという意識づけができるように自分をしっかり見つめ直して欲しいと思います。
卒業していった3年生は,常に「友愛,自律,互敬,互譲」の校訓が,私たちを支えてくれました,そして,応援歌からいつも励まされ,勇気をもらいました,と言ってくれました。皆さんもこの気持ちを一人一人が実感して,令和5年度の良いスタートがキレることを願っています。来年度が素晴らしい年になるかどうかは,これからの二週間がとても重要です。皆さんの進級と共に成長した姿を期待しています。

 この後,生徒会主催の離任式に入りました。15名の教職員が転退職となりました。私は,無事38年間の教員生活をこの富田中学校で終えることができました。本来なら,一人一人が挨拶をするのが良いと思いますが,時間の関係で代表挨拶となりました。でも代表となると,どうしても「校長先生お願いします」となるわけで,司会の生徒からもそう言われましたが,私は「せっかく,1,2年生が体育館に入っての式だから,先生が話すより,皆さんにより関係が深い担任の先生にお話をしてもらおうと思います。それでは,1年生,2年生の担任を代表してH先生お願いします」とマイクを渡しました。もうH先生は,マイクを持った途端に涙をいっぱい浮かべていました。私は子どもたちの顔を見てるだけで,こみ上げてくるものがありました。そして,H先生は,「それでは最後に,このメンバーの中で,一番勤務の長かった,今度校長先生にご栄転される副校長先生,お願いします」と,マイクを渡しました。最も生徒から愛され,全ての生徒のファーストネームまで覚えている副校長先生は,マイクを持って,ハンカチではなく,タオルを握りしめて感動的なメッセージを子どもたちに送ってくれました。こうして,生徒会から一人一人が花束を頂き,それを待って体育館中央の花道を拍手が鳴り響く中,退場したのですがアリーナを出ると,生徒から「校長先生はここでしばらくお待ちください」言われました。なんと,離任式の後,定年退職の私のために,退職のセレモニーをまたまた生徒会が主催してくれたのです。もう随分時間が押しているので,恐縮しました。先ほど出た花道をまた拍手の中ステージまで帰り,今度はセンターに座らせていただき,インタビュー的な質問のあと,代表生徒が私にメッセージを読み上げてくれて,記念品まで頂きました。(帰って開けると,保温カップに見事な文字入れを施してくれていて,それを見てまた涙しました)
司会の生徒から「校長先生,最後に富中生へのメッセージをお願いします」と言われたので,時間が押していることもあり,言いたいことの一部はホームページに書きますね,なんて調子のいいことを言ってしましました。こんなページを富中生は,ほとんど読んでいないと思っていたのですが,このセレモニーの準備をしてくれている間,アリーナの外で待っていたら,誘導してくれる生徒会の女生徒が「校長先生のホームページに出ている歌は,お母さんがよく知っていて私も一緒に歌うようになりました。おばぁちゃんも大好きです。」なんて言ってくれたんです。私の紹介する歌は,当然お母さんより,おばあちゃんの世代だと思いますね(笑)。でもうれしかったです。いろいろ今まで苦しいこともあったけど,教職を続けてよかったなぁと子どもたちとの最終日に思わせてくれました。本当に富中生はかわいいです。そんなことがあって,「一部はホームページに!」なんて言ってしまったのです。その場で話したのは,もちろん富中生の心の支えである校訓の「友愛 自律 互敬 互譲」を大切にして欲しい,ということ。こんな校訓の精神が全ての学校生活の中で息づく富田中学校の生徒であることを誇りに思ってください,と伝えました。そして,つい先日まで日本中を感動の渦に巻き込んだ,WBCの日本チームの活躍を例にして,あの年齢に関係なく,とても仲の良いすばらしいチームの雰囲気,そして各自は懸命に自分を追い詰め全力でプレーする姿,試合で負けた相手チームに敬意を示す言動の数々,また,怪我で出られなかったチームメイトのユニフォームを常にベンチに掛けて仲間を思いやる気持ち,まさに「友愛 自律 互敬 互譲」そのもので,それは世界中に通じていましたよね,という話もしました。そして,ホームページにいつも昔の歌を載せていたので,今日も今流れているのは(音響担当の先生にお願いして,BGMを流してもらいました)小田和正という,お家の人は多分知っていると思いますが,75歳にもなる今も現役のアーティストの「今日もどこかで」という曲です。https://www.uta-net.com/movie/72451/_xeOQ-liNxM/(この中で歌っているのは小田さんではありません)この曲のなかで小田さんは,「気づかないうちに助けられてきた 何度も何度も そしてこれからも 数えきれないやさしさに出会ってきた・・誰かがいつも君を見ている 今日もどこかで 君のこと想ってる・・」と歌っています。先生はこの歳になってこの歌詞がとても胸に染みています。今までの人生を振り返っても,まさにみんなから助けられて来ました。今年は皆さんであり,富中の先生方,地域の方々です。皆さんもその思いを忘れず,そして皆さんのことはきっと誰かが見てくれている,ということも覚えておいてください,とステージから子どもたちに語りかけました。それでは,時間の関係であと一つ,話せなかったことをお伝えします。これを一人でも読んでくれた生徒がいたら,何かの機会に友だちに話してくれたらうれしいです。その話というのは,「学校という場所で,集団生活を通して,『折り合い』をつける術(すべ)を身につけて欲しい」と言うことです。人は一人では生きていけません。みんな仲良しの友だちがいると思いますが,いくら仲良しでも考え方や性格が全て同じなんてことはありません。考え方に違いが出てきたときに,自分の意見ばかりを押し通していると,仲間は去っていきます。だからといって,人の意見に渋々我慢して全て従うというようなスタンスでは,疲れてしまって友だち関係は長続きしません。お互いの意見をよくすりあわせて,どこかで『折り合い』をつけることが必要です。これは社会人になっても絶対に必要な力であり,これができないと,いろいろなところで失敗したり,大切なモノを失ってしまうかもしれません。学校の班活動や,行事でいろいろな事をクラスで決めるときに,しっかりその力を磨いて欲しいと思います。中学校の義務教育の現場は,まさにそのトレーニングをする場でもあります。すでにマスターしていると思っている人もいるかも分かりませんが,『折り合いをつける力』をしっかりと身につけて欲しいです。これが,あの時体育館で言い切れなかったことです。読んでくれた生徒諸君には心から感謝します。この力が身につくと,仲の良い友だちと,末永く付き合えるはずですよ。

 さて,このセレモニーが終わって,子どもたちは教室で通知表をもらい,今年度最後の学活をして帰りました。その後全校生徒が下校してから,今後いよいよアフターコロナの生活が始まるといっても,かつてのように,学校全体で打ち上げはまだできないので,全ての教職員が特別教室に集合して,転退職する一人一人にその人となりを,結びつきの強い先生方が書いて,「感謝状」としてその文面を読んだ後,贈呈してくれました。私にも教頭先生から身に余るお言葉を書いてくれた感謝状を頂きました。そして代表の若い先生方が,忙しい学年末に時間を作って練習してくれた余興までしてくださいました。その面白さ以上に,このために忙しい中,練習をしてくれたことに感激してしましました。そして最後にもう一度私が呼び出され,司会の学年主任の先生が「サプライズです」と言って,女性の先生が私の娘からの手紙を読んでくれたのです。もう頭が真っ白になって「えっ,なんで,どうして??? 昨夜もフツーに帰ってから話しをしたよなぁ・・」等と思いながら,本当にびっくりしました。後で聞くと,この会の担当学年の1年主任が,わざわざ妻の勤務先に電話をしてくれて,打ち合わせをしてくれたとか。本当に頭がさがります。最後の最後にこんなことまでして頂いて,本当にすばらしい教職員に恵まれて私は幸せでした。この会の中での私の一言は,このHPでも昭和歌謡やフォークを中心にチョイスしてきたので,「セーラー服と機関銃」を少しだけ,携帯から流しました。https://www.youtube.com/watch?v=Wgw1A-P_8zM 若い先生は知らないんでしょうね。「さよならは別れの言葉じゃなくて 再び逢うまでの遠い約束・・」いい歌詞ですねぇ。若い先生方にとっては,薬師丸ひろ子は歌手と言うより女優さんのイメージかなぁ。最近はおばあさん役とかしていて,私はショックです(笑)。 でも本当にこんなすばらしい教職員と仕事ができて最高でした。こんな教職員に,感謝の気持ちをなかなか言葉では言い表せないので,この日の朝,先生方の机上にお礼の一筆を置かして頂きました。前日,たいした内容でもないのに,26時(!)頃までかかって印刷をして配りました。今までも節目節目に駄文ではありますが,心を込めて書いていたのですが,今回はいろいろな事を思い出すと止まらなくなり,益々,内容に一貫性がありませんでしたが,皆さんとっても優しく常に高齢者(!)をいたわってくれるので,読んでくれたとは思います。
この度,私の後に着任する校長先生は,当然私より若いですが,本当にすばらしい方で,私の何倍,何十倍,全てのことに優れています。きっと富田中学校をよりバージョンアップして,活気あふれるそしてエレガントな学校にしてくださると思います。私は,昔から尊敬の念を抱き続けていた方です。この校長先生が着任するまで何とか2年間,全ての教職員に助けられ,大過なく過ごせて今はホッとしています。このお口(目)汚しのコーナーも全て削除して,新しくして頂けるように頼んでいます。長きにわたり,こんな独りよがりの自己満足だけのページをお読みいただいた皆さま,また,本校関係者以外の方で,毎回ご意見をお寄せいただく県外のありがたい人生の先輩,長い間本当にありがとうございました。私もまだ少しの間,この業界(!)で働かせていただけるようなので,教育界に対して,今までのご恩返しが少しでもできるよう今後も精進いたしますので,またご縁がありましたら,お声がけ頂けましたら幸いです。
皆さまのご多幸を,そして富田中学校の益々のご発展を心より祈念いたします。本当に最後まで,ありがとうございました。

修了式の様子
修了式
離任式の様子
離任式
退場のようす
退場
記念品
生徒会からいただいた記念品