藍住町は,徳島県の中央を流れる吉野川の下流に広がる徳島平野の北部に位置し,この吉野川のたゆみない沖積によって造成された肥沃にして平坦な地域である。藩政時代には,阿波藍の栽培が盛んで,経済資本も豊かな農村地帯として発展してきたが,藍の斜陽化とともに,野菜類の栽培が増加し,純農村として安定した繁栄を続けてきた。1955年4月,旧藍園村と旧住吉村が合併して,新しく藍住町として発足した。合併当時,人口10,544人,世帯数1,913戸だったのが,2012年5月では,人口33,783人,世帯数12,420戸となっている。それは,いくつかの工場が立地し,徳島市に隣接して,交通が便利であるという好条件から,宅地開発も急激に進み,それらに伴って人口の急激な増加等による都市化現象が進んでいるからである。こうした現象から必然的に,かつての農村特有の人情味や素朴さが次第に薄れ,都市的な隣人関係に変わりつつある。
本校は,過大規模校を解消すべく,1988年4月に新設された。全校生徒は481名,これまでの人権教育の取組みの中で,自分の人間としての生き方を求めていこうとする姿勢が育ちつつあり,同和問題をはじめ,さまざまな人権問題に対する認識も深まってきている。
基本的人権尊重の精神を基盤とし,同和問題をはじめとする,人間社会におけるさまざまな因習・偏見による差別問題を科学的に究め,偏見や不合理あるいは矛盾に気づき,差別を許さない人間の育成とこれらを解消しようとする人間形成に努める。
「人権尊重社会の実現を図るために,差別の現実から深く学び,すべての子どもの自己実現と共生・共存をめざす教育を確立しよう」
―人権意識の高揚を図り,同和問題をはじめ様々な人権問題解決への意欲と実践力をもった生徒を育てるための教育を実践しよう。―