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人権劇のあゆみ

人権劇への取り組み

地域住民と一体となった人権教育(ふるさと人権フェスティバル等)に積極的に関わり,昭和59年より始めた人権劇。

これまでに40作を上演させていただきました

昭和59年よりこれまでのあゆみ
 第 1作 「春寒」 第21作 「白い虚構」
第 2作 「団栗の詩」 第22作 「山茶花」(さざんか)
第 3作 「団栗の詩2」 第23作 「明日へ・・・」
第 4作 「同じ空の下の同じ風」 第24作 「心の扉」
第 5作 「ホットケーキ」 第25作 「春寒」リターンズ
第 6作 「出発」 第26作 「はぴねす」HAPPINESS
第 7作 「でんでん太鼓の青春」 第27作 「思いよつながれ」
第 8作 「あしたの風」 第28作 「あいうえお」
第 9作 「どんなときも」 第29作 「絆~ちいさな勇気~」
第10作 「決心」 第30作 「光り輝くとき」
第11作 「明日に向かって」 第31作 「心のワッペン」
第12作 「みんな がんばろな」 第32作 「団栗の詩~2015~」
第13作 「明日にかける橋」 第33作「生まれてくれてありがとう」
第14作 「心を見つめて」 第34作「希望の扉」
第15作 「扉の向こうに」 第35作「風にのせて~奇跡が生んだ贈り物」 
第16作 「ふるさと」 第36作「命どぅ宝」
第17作  「蜃気楼・葵徳川八代吉宗大変記」 第37作「心はゼロディスタンス!」
第18作 「ジグソーパズル」 第38作「言葉の重み」
第19作 「それがし人間で候」 第39作「青空の下で~私の人権~」
第20作 「異聞 榎本武揚伝」 第40作「・・・かもしれない」~可能性は無限大~

人権劇のあゆみ 第1作~第25作

福井中学校 人権劇の歩み

昭和59年より人権劇に取り組み、毎年上演している。2年生が,それまでの人権学習の成果を生かし,自分たちの力で,差別解消を実際に訴えていく。この取り組みは今年で 38作になっている。

<画像>

人権劇の歩み2010年8月6日徳島新聞朝刊で紹介される。

第1作 「春寒」(はるがん) 44分 1984(昭和59) 南部守

<テーマ>部落差別と障害者差別
障害者の家族(障害者の妹を福井中学校に入学させたい)連帯して差別をなくすみんなの幸せ・・・ 「わしな、やっとわかりかけてきた、同和問題は今までひとごとじゃと思っとった。同和問題を解決せな、弓子も幸せになれん」「世間や見栄では弓子は幸せになれん」

徳島新聞昭和60年

第2作 「団栗の詩」47分1985(昭和60)南部守

<テーマ>もう差別やないから同和教育はいらない
中学校改築現場 PTA 参観のあとの話し合い(同和教育は不必要)

学校でのいじめを通じて・・・
「わしらはみんな団栗じゃ。一人では弱い団栗じゃ。」

「その団栗はみんなで助け合って,みんなで力を合わせて生きていくんだ。」

第3作 「団栗の詩2」 50分1986(昭和61) 南部守

<テーマ>結婚差別家柄がちがう 世間というお化け

同和問題に関わった元校長自己矛盾心の弱さに気づく

「法律はできた、村もようなった。学校も行けるようになった。目に見える差別はめっぽうなくなりました。ですがね周りの人がちっとも変わっとらんのですよ。」

第4作 「同じ空の下の同じ風」38分1987(昭和62) 南部守
<テーマ>村の祭りに参加するための被差別部落の人々の戦い ( 明治時代解放令)
祭りの太鼓の練習と神社の手洗い鉢奉納(福井町杉尾神社境内のちょうず鉢)

「同じ空の下の同じ風同じ風の中の同じ肌なんの違いのあるものぞ」

…レリーフ…

第5作「ホットケーキ」36分1988(昭和63)吉田忠彦

<テーマ>いじめ
いじめによる自殺未遂学級での同和問題学習での建て前
授業の時だけいいかっこ言って(建て前),実際には何もできていない
弱いモノがより弱いモノをさがしいじめる 一人一人の人間の弱さ


第6作 「出発」たびだち 40分 1989(平成元年・昭和64) 吉田忠彦
<テーマ> 就職差別
就職差別につながる14項目
コンピューター会社の面接で差別事件が・・・戦う主人公


第7作 「でんでん太鼓の青春」50分1990(平成2年)広瀬守
<テーマ> 識字学級(国際識字年)
鉛筆のかわりにでんでん太鼓(子守)差別体験の話
「明るいところからは明るいところしか見えないが,暗いところからはすべてが見える 」

第 8 作「明日の風」39分1991年(平成 3 年)広瀬守

<テーマ>進路について 集会所合宿で中島の体験談(同和奨学金)
なぜ高校へ行くのか話し合い・・・集会所合宿での中島の話「ここで生まれたもんは、勉強ようできても、学歴があってもいっしょじゃ・・」「やけくそになって自分で、自分をだめにして、ほれが差別に負けとう証拠じゃわ」「私は奨学金で高校へ行く、ほれがこの地区のためになると思うとうけんな」


第9作 「どんなときも」49分 1992年(平成4年) 広瀬守
<テーマ>仲間 僕には仲間がいるどんなときも
母の死後残された兄弟3人、残された八百屋をめぐり次男伸次の生活の荒れが目立ち始めた。学習会の冬季合宿で連帯参加の仲間と共に本音を語り合い、伸次を支えていく。伸次は母の残した八百屋を守りたかった・・・・
サトシやミチコには大きな悩みがあるのに、どんなときも立ち向こうとるどんなときも自分を仲間を大事にするどんなときも頑張るけんな。


第 10 作 「決心」 50分 1993年 ( 平成5年 ) 清水聖三
<テーマ>部落差別とアイヌ人差別(国際先住者年)
被差別部落に生まれた教師が北海道でアイヌの人たちが差別に負けないで
戦っている姿を見て自分も部落差別に立ち向かっていく。
悩みは打ち明けることで小さくなる。共に戦う仲間をつくろう。

第 11 作 「明日に向かって」44分 1994年(平成6年) 清水聖三
<テーマ>結婚差別
被差別部落出身の隆志と娘(愛子)の結婚に直面した家族の葛藤
差別はいけないと知りつつ身内の結婚になると・・・・
ある日両親に会ってほしい人がいると打ち明ける主人公愛子。愛子と隆志の結婚話が進んでいく。隆志が帰った後、祖父の「聞き合わせ、部落のもんじゃったら困るだろ」の一言が家族を苦悩の日々へと・・・。娘の幸せを考える両親の苦悩の日々。何も知らない隆志が愛子を案じてやってくる。父と母は、隆志と話をしていく中で心が変わっていく。


第 12 作 「みんながんばろな」41分 1995年(平成7年)  清水聖三  
<テーマ>いじめ問題
クラスのいじめ問題について学習会で学ぶ、ゆみ子が立ち上がる。学習会で部落差別のおこりを学び(ゆみ子は将来差別を受けるかもしれないという不安からはじめはいじめる側にいた)立ちあっがていく。
(いじめも同和問題と同じ意識が変わらなければ解決しない)

第 13 作 「明日にかける橋」37分 1996年(平成8年) 片山隆志
<テーマ>部落差別と障害者差別
部落の産業「竹かご」をつくり販売先で差別を受ける
障害者差別差別者(被差別部落)との間に川がある橋を架けよう
「差別心を持ったもんは、なかなか変わらんと思うがのー」「人の心は変えられます。自分の差別心に気づいたとき、人は変わる」「足が不自由な人とそうでない人の間には何か渡れない川があると思っていた、でもその川には橋が架けられると思っている。仲間を増やすことによって架けられると思っている。部落差別もそうだ、訳のわからない偏見が周りの人との間に川を作ってしまっている。でもそこに橋を架けてここまで来てくれた・・・・・」


第 14 作 「心を見つめて」 35分1997年(平成9年)片山隆志  
<テーマ> 部落差別
部落差別について人権集会での劇中の劇
同和教育をするから差別がなくならないそっとしておけば・・・
『倒れたら立ち上がればいい
その倒れ方が大きいほど倒れたことをバネにして立ち上がればいい 』


第 15 作 「扉の向こうに」39分 1998年(平成 1 0年)片山隆志
<テーマ> 学習会って何をしているのどうして同和地区だけにあるの
冬季合宿の会場(劇中の劇)連帯参加
「私は地区の子とともに部落差別をなくしていく仲間じゃないといけない。でも一方で私は差別を残している当事者でもあるんだ。」差別は差別をするものが変わらないとなくなるはずがありません。私たちこそが差別をなくしていく鍵を握っているのです


第 16 作 「ふるさと」1999(平成11年) 南部守・久米宏美
<テーマ> 聴覚障害離島(伊島)差別
耳の不自由な敏恵と伊島から転校してきた浪江がいっしょに手話教室で学ぶ・・
麻子は日頃から障害者や学習会で学ぶ仲間に対して同情して優しく接していたが「ふーん。車椅子の人でも結婚できるん」テニスの大会で「えーっ。伊島の子にや負けたんえ」等の発言・・・「障害を持つ人は障害があるから悲しいのではない、障害者に対する差別があるから悲しいのです。」「同和地区っていう言葉があるだろ、ほんまはほんなもんないんじゃ、あるんはな、差別する人の心の中に同和地区があるんじゃ」と伊島に帰る連絡船に乗る浪江に麻子は手話で気持ちを伝える。


第 17 作 「蜃気楼・ 葵徳川八代吉宗大変記」2000(平成12年)
小河ドラマシリーズ第一弾 南部守・吉岡博文・久米宏美

<テーマ>家柄や先祖に対する幻想

八代将軍吉宗の母親は和歌山の百姓出身
農民の娘を武士の家の養女にする・・徳川家の系図に女性は書かれていない
日本の歴史から女性を消すと一続きの系図ができる
吉宗は武士でもあるし農民でもある,それを武士だと思いこんでいる。幻想
部落差別も幻想世間に負けて結婚を反対自分の弱さを世間のせいにする


第 18 作 「ジグソーパズル」39分 2001年(平成 1 3年)久米宏美(生徒)
<テーマ> 偏見因習占い迷信が差別を生む
占いを信じますか新築の建て前のもち投げ(男だけ)迷信
家の敷居を踏む (先祖の顔を踏む) 女の人は相撲の土俵に上がれん
部落差別(結婚問題)信じてもいい迷信(茶柱)占いも迷信も人間が作ったも の、人間が壊せ るもの。人生はジグゾーパズル


第 19 作 「それがし人間で候」38分2002年(平成14年)
小河ドラマシリーズ第二弾 吉岡博文

<テーマ>歴史の中の民衆の本当の姿は・・・たくましく、優しく
江戸時代明石藩松平斉宣(将軍の子)が参勤交代の途中で暗殺された。 前の参勤交代の時、 3 歳の子どもを切り捨てた・・・その親が江戸時代の厳しい身分制度の中で民衆は屈従ばかりしてきたわけではない。権力や法の目をくぐり抜け、わりとしたたかに生きてきた。身分や家柄にとらわれず生きたいろいろな人たちの姿を描いている。
被差別部落の家を修理した大工の話・・・(古文書より)


第 20 作 「異聞榎本武揚伝」   49分 2003年(平成15年)
小河ドラマシリーズ完結編 吉岡博文

<テーマ> 部落差別の正体真実と幻想
明治時代榎本武揚(幕末五稜郭の戦い・明治政府のなかで活躍)後に海軍中尉,外務大臣,華族になる
史実・・・幕末五稜郭の戦いに敗れ、罪人として被差別部落に送られる。

そのとき村の娘との間に子どもが生まれる。
部落差別の正体自分の先祖をさかのぼると400年前では100万人になる

その中にはいろいろな人がいたはず・・・

第 21 作 「白い虚構」   2004年(平成16年)  吉岡博文  
<テーマ> 結婚差別
主人公よしおの祖父は、名家意識が強く、孫娘弘美の結婚に反対していた。交際相手が有名な医者であるが出身が被差別部落出身ということを理由にである。悩む姉弘美のために弟よしおは、一計を案じ祖父を説得することに。その秘策とは・・・・。部落差別の正体に迫ります。

*注劇中の「侍帳」等は実際は寺院に存在しない。また個人情報のかんけいもあり、寺院では現在家系等について、ほとんど調べられない
第 2 2作 「山茶花」(さざんか)2005年(平成17年)吉岡博文
<テーマ> 身分差別
「きれいな山茶花,わたしの故郷にも咲いているかしら・・・」一途な恋を信じた八重を襲う悲しい運命。身分違いを理由に幸七との結婚を反対され,故郷へ帰ろうとするが,そのとき・・・人権劇第22作「山茶花」は,厳しい身分差別の中で差別を乗り越え,したたかに優しく生きた人々の姿を描き出しています。


第 23 作「 明日へ・・・」2006年(平成18年)久米英種

<テーマ> 部落差別
結婚を機に新居を郊外に移そうとするあゆみが社内で引っ越し先を上司や同僚に告げる。しかし,直後に周りの反応がどうもおかしいことに気づく。あゆみは同僚の「そこは同和地区・・・」といった一言を敏感に受け,葛藤するのですが・・・それを知ったうえで計画した家族や結婚相手に説得される


この劇は、今なお心の奥底に残る差別意識や偏見を取り払い明日に向かって 一人一人が前向きに歩もうとする姿を描いています。
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第 24 作「こころの扉」2007年(平成 19 年)東明& 2 年生
上演日時 2007 年 10 月 21 日(日)
場所福井町総合センター2F大ホール

 
【ストーリー】
耳が不自由なことがクラスの生徒たちに知られてから、いじめにあう馬場あゆみ。
男子の中でいじめられ役の明。クラスの中にはいじめっ子、いじめられっ子、見てるだけの子、それぞれが様々な思いを持ちながら複雑な人間関係に悩み、流されていく・・・。
現在、社会問題になっている「いじめ」をテーマに取り上げ、実態を直視し、いじめに潜む差別意識や偏見に気づき、立ち上がろうとする姿を描いています。


第 2 5作  「春寒(はるがん)リターンズ」2008年(平成20年) 東明&2年生

上演日時 200 8年 10 2 6日(日)
 場所福井町総合センター2F大ホール

【ストーリー】
 福井中学校人権劇第一作「春寒」から 25 年。あの頃中学生だった友子は、結婚して母になりました。この「春寒リターンズ」は、友子の娘、裕梨をめぐる物語です。
 裕梨は、母親によく似て、しっかり者で優秀、誰からも一目おかれる存在です。そんな裕梨があるとき携帯電話の裏サイトの被害者に …… 。人を信じられなくなり悩む裕梨。裕梨や裕梨を取り巻く人たちは、その問題にどう関わっていくのでしょう。現代社会の裏に潜む差別事象を通して、人としての生き方、家族の思い、真の友情とは何かなど、それぞれの立場で探っていくというストーリーです。

人権劇のあゆみ 第26作~

第 2 6作  「はぴねす」2009年(平成21年) 久米英種
上演日時 200 9年 10 月 2 5日(日)
 場所福井町総合センター2F大ホール

【ストーリー】

転校生のなつきは,HIV(エイズウィルス)感染者。病名を知られたくない不安を抱きながら,学校生活では明るく振る舞っていた。ある日,病気の噂がクラスじゅうに広まり,なつきはショックのあまり教室を飛び出し,その後欠席が続く。何とか立ち直らせようとする仲良し4人組が彼女を見舞うのですが・・・。
第26作は難病をもつ女生徒を支え合う人間関係を描いた作品です。

 

第 2 7作  「思いよつながれ」2010年(平成22年)沖宗優  

上演日時 20 10年 10 月 2 4日(日)
 場所福井町総合センター2F大ホール

【ストーリー】

 就職差別や結婚差別について勉強している晃太朗たちは,授業の中で,先輩たちが行った人権劇を見たことから,結婚差別によって苦しむ人々が今も身近にいることに気づきます。また, 1871 年に「解放令」が出されたにもかかわらず,あるところで、それは「五万日の日延べ」とされ,五万日(約 140 年)たった現在も身元調査などによる差別が残っているという現実に愕然とします。そして,そのことを学んだ生徒たちは,阿南市の高校生が取り組んでいる「身元調査お断りワッペン運動」を知り,その運動の大切さをともに伝えたいと動き出します

第28作「あ・い・う・え・お」2011年(平成23年)長谷川静
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2011 年 10 月 23 日福井町総合センターにて上演
【ストーリー】
「差別はいけない」と頭で分かっていてもまだ自分たちのこととして考え,行動することができない生徒たち。また,「自分は差別者ではないから学習する意味がない」と訴える生徒,そんななかで「識字学級」についての学習や,識字学級生との交流を通して「差別は文字だけでなく,人としての感情や生き方までも奪ったのだ」と気づく。また,学習することの意味を見出せず,受け身的な学習だった生徒たちが,学習しなければ差別したり差別されたりしていることにも気づけない人になるのだということを実感する。生徒たちは識字学級生らの前向きさに共感し,自分たちも意欲的に生活していこうと決心する。

 

第29作「絆~ちいさな勇気~」2012年平成24年梶尾順一


 上演日時2012年10月21日
場所福井町総合センター 

【ストーリー】
9月1日,福井中学校に転校生が来ることのなった。福島県出身の愛という中学2年生の女子生徒である。震災の影響で,父親の故郷である阿南市福井中学校に避難してきたのであった。
愛はすぐにみんなと打ち解け,仲良く生活していた。震災のショックからも立ち直りつつあったが,ある日,心ない友人の一言から,愛に対するいじめ,無視がはじまった。家でもどこか元気のない愛の様子を心配する両親に,愛は学校のことを話す。それを聞いた両親は愕然となるのであった。なぜなら,愛たちの家族は,福井町に転居してくる前に,一時期,母親の出身地に避難しており,被災者だということで,いじめに遭っていたのであった。愛の話を聞いた父親は,「福井の子どもは必ず分かってくれる。みんなでがんばろう。」と愛を勇気づけた。父親の心には,「福井中には,人権劇の伝統があって,みんな人権について真剣に向かい合っている。必ず間違いに気づいてくれる。」という思いがあった。愛に父親は,人権劇第2作『団栗のうた』にかかわっていたのだ。
数日後,登校する愛に駆け寄る生徒がいた。普段物静かな真由であった。真由は家庭で両親と話をする中で,自分たちがしていることが差別であること,そして友達を大切にすることの大切さに気づいたのであった。また,拓海も,家庭で家族と話をするなかで,みんなで笑顔で暮らせる学校を作りたいと思えるようになっていた。愛の様子に気づいた担任も,人権問題や放射能汚染に関する授業を積極的に行ったことで,だんだんと愛のまわりに友達が戻ってくるようになった。
まわりの大人の指導やクラスメイトの熱心な取り組み,愛の明るい生きざまによってなかなか変わらなかった一部の生徒の態度も変わっていった。そして,一人一人が,今まで気づかなかった『差別や様々な人権侵害は,学習して正しい知識を見につけ,それを毎日の生活の中で役立てることによって解決する』『自分も友達も大切にすることが幸せにつながる』ことを理解していくのであった。

第30作「光輝くとき」2013年平成25年梶尾順一
上演日時2013年10月27日
場所福井町総合センター 

【ストーリー】
相葉家では,仲良く暮らす信一と涼子に待望の赤ちゃんが生まれた。しかしながら,涼子の仕事の都合で,育児休暇が取れないので,家族で相談した結果,信一が育児休暇を取ることになった。祖父の信之介は,相葉家の歴史に誇りを持っており,男女の役割意識にこだわりを持っていた。しかし家族の話し合いで,信之介も協力するようになった。近所のいろいろな噂や,周囲の抵抗もあったが,「子どもをみんなで育てよう」という信一の考えに,みんなも納得していくのであった。信一たちの子育てをみてくれた多くの人が,応援してくれるようになり,一人一人に光があたって,それぞれが輝くことのできる男女共同参画社会の実現に向かってすすんでいくのであった。

第31作「心のワッペン」2014年平成26年梶尾順一

上演日時 2014年10月27日
場所 福井町総合センター 

【ストーリー】
阿南市で生活する光司と今日子の夫婦は、平穏な生活を、送っていた。そういった中、東京に住む長男の拓也から、「結婚する」と電話で連絡してきた。そして、東京から拓也が連れてきた相手の女の子は、南という名前で、とても素直で、優しい子であった。話をしているうちに、南の祖母のお兄さんが、昔、ハンセン病にかかったことが南の口から語られた。「気にすることない」といいながら、やっぱり気になる光司であったが、家族や周囲の人々と話をしたり、自分でハンセン病のことを学習したりしていくことで、心にあるわだかまりがなくなっていった。そして、みんなに祝福されて拓也の結婚を迎えることになる。

第32作「団栗の詩2015」2015年平成27年梶尾順一

上演日時 2015年10月27日
場所 福井町総合センター

【ストーリー】
福井中学校出身で、人権劇第2作「団栗の詩」に出演していた上杉達也は、徳島県で教師になり、がんばっていた。そして、四〇才をすぎ、初めて母校の福井中学校に赴任し、2年生の担任となった。そして、生徒たちと向き合う毎日が過ぎていくなか、いよいよ秋になり、人権劇に取り組もうとしたとき、生徒たちの間に波風がたちはめた。それを見た上杉は、自分の取り組んだ人権劇をふりかえることで、生徒の人権意識を育てるのであった。

第33作「生まれてくれてありがとう」2016年平成28年梶尾順一

上演日時 2016年10月23日
場所 福井町総合センター 

あらすじ
結婚三年目にして、初めて子どもを授かった大輔と早紀であった。その大輔が子供が生まれた次の日、実家を訪れた。いつもと違う大輔の様子に姉の南が問うと、大輔が、医師から、生まれた子どもに障がいが残るかもしれないと言われたことを打ち明ける。南や、両親たちに相談し、障がいがあってもなくても関係なく、みんなで協力して子どもを育てていくことが大切だと、気づいていくのであった。

第34作「希望の扉」2017年平成29年矢部淳

上演日時 2017年10月21日
場所 福井町総合センター

あらすじ
春花のクラスは,女子が多いクラスです。担任の言葉を発端に女性差別について考える春花。しかし,被害者意識が強かった自分の心の中にも男女への固定された考え方が存在していることに気づき‥。やがて,自分達が取り組む人権劇で大好きな福井町に向けて,今の思いを歌に乗せ,届けようと決意するのでした。

第35作「風にのせて~奇跡が生んだ贈り物」2018(平成30)年矢部淳

上演月日2018年10月21日(日)
場所福井町総合センター

 あらすじ
昨年10月、福井中学校に一通の郵便物が届きました。それは、25年前に福井中学校の文化祭で飛ばした風船を、拾ってくださったおばあさんからのの手紙でした。その手紙の内容を全校集会で取り上げるとともに、当時おばあさんと手紙のやりとりをした卒業生や、先生方にもお集まりいただき、懐かしい思い出などを語り合いながら交流会をもちました。このおばあさんとの奇跡の出会いと心温まる思いが、高齢者問題について考えるきっかけになりました。この話をもとに、高齢者に対する差別を始め、様々な差別についてどのように取り組んでいけばいい考えた人権劇です。

第36作「命どぅ宝
上演月日令和元年10月20日(日)
場所福井町総合センター

 あらすじ
沖縄に修学旅行に行った主人公は平和学習でガマを訪れます。一行から少し遅れてガマに入ると、そこは戦時中のガマの中。タイムスリップした主人公がそこで見たものとは。沖縄住民の4人に1人が犠牲になるなど、地獄と化した沖縄。「命どぅ宝」と戦場を生き抜いた人々の姿を通して、戦争の恐ろしさと命の大切さについて考えます。

第37作「心はゼロディスタンス」
上演月日令和2年10月25日(日)
場所福井町総合センター

 あらすじ
新型コロナウイルス感染症が全世界で猛威を振るい、人々は恐怖と不安の中で毎日を送っています。ある日、中学校に通う主人公の男子生徒は、新型コロナウイルスの治療に当たっている父親のことで、クラスメイトから「コロナがうつる」「学校に来るな」等の言われなき誹謗中傷を受けます。家族やクラスメイトとの話し合いを通して、社会の中での誤った情報や噂をうのみのせず、自分で冷静に考え、判断し、行動することの大切さを学んでいきます。

 

第38作「言葉の重み~一言でつながり一言で奪う~
上演月日令和3年11月6日(日)
場所福井町総合センター

 あらすじ
中学校に通う主人公の小夏のクラスでは、スマートフォンを持ち始めた人が多く、ツイッターやラインなどSNSを通して、友達といろんな情報を共有したり、話したりすることが流行っています。そんな中、小夏がSNSにみんなとの写真を無断で投稿したことで、大問題に発展。そんな中、小夏は家族との会話や学校での人権学習を通して、インターネットによる人権侵害を正しく理解し、互いの人権を尊重した行動について考えていきます。

 

第39作「青空の下で~私の人権~」

上演月日令和4年10月31日(月)
場所福井町総合センター

 あらすじ

 大学生になった福中卒業生。自分たちの就職活動に触れる中で、就職差別について学んだことを語り合います。その中で福井中学校での人権学習や人権劇に込められた「差別をなくしていこうという熱い思い」が今の自分の心の支えになっていることに気づいていきます。そして、先輩として福井中学校を訪れ「人権劇を通して学んだこと」や「仲間や地域で互いに支え合うことの大切さ」を熱く後輩に語ります。青空の下、先輩から後輩へと人権劇のバトンが引き継がれていきます。

第40作「…かもしれない」~可能性は無限大~

上演月日令和5年10月29日(日)
場所福井町総合センター

 あらすじ

 自分の性の違和感に悩む主人公が結婚後パートナーにカミングアウトし、同窓会の案内を受け取る。その後、同窓会に参加しようかどうしようかと迷う中で、家族や友だちと中学校時代の自分に向き合いながら、改めて自分の性や生き方を見つめ直していく。