清掃からファシリティマネジメントへ
ICTを活用することで、新しいタスクを生み出し、学習や活動そのものを変革し、周囲に影響を与えます。
この取組では、従来の「清掃」という作業タスクが、「環境データの収集・分析に基づく学校環境の改善」という高度なタスクに変革されました。
生徒が撮影したでデータが集積されることで、単なる報告書ではなく、「発生傾向」や「優先順位」を分析できるようになりました。これにより、児童は、単に清掃を行う作業者から「学校環境のデータアナリスト」や「課題発見の専門家」へと役割が再定義されました。
そして、一連の流れがデジタル化され、ICTを活用した「学校をよくする仕組み」となります。
この取組は、一人一台タブレットというICTツールがなければ難しかった「データ分析による環境改善」という新たな価値を生み出し、児童の学習や学校運営にまで変革をもたらしています。
1日の最後に、振り返りとして、学んだことや感じたことを、1人1台タブレットのデジタルポートフォリオ(大俣小では「ふたばdeシート」と名付けました)に記入します。そして、児童が気付いた課題を児童自ら課題解決を図り、授業では学級全体に広げていきます。授業で学んだことや考えたことは、また「ふたばdeシート」に記入します。
児童が自ら課題をを見付け、自ら問題解決を図る自己調整を基盤とした学習を実践しています。
「学びのチャレンジ・ステップ」は、大俣小学校で考案したアプローチです。児童の自己決定力やその課題に応じて最適な学び方を選択する力を育みます。
各ステップの名称と趣旨
○先生と進む「安心ステップ」-先生のアドバイスという「安心の土台」の上で、課題解決の方法を学ぶステップです。先生の直接的なアドバイスやサポートで自信をもって解決にあたります。
○仲間と高める「共創ステップ」-協力し、創造(共創)する学びのステップです。多様な意見にふれ、自分の考えを伝え、対話的な学びを通して知識やスキルを深めます。
○一人で究める「自立ステップ」ーこれまでの学びを活かし、自立して問題解決に挑む主体性を育むステップです。
ICTを活用することによって、学び方も児童に任せ、主体的な学びを促進しています。この3つのステップを通して、児童は「課題に応じて学び方を選択する力」「どのステップでも粘り強く解決に向かう力」を育みます。
大俣小学校では、デジタルポートフォリオである「ふたばdeシート」に記録します。そこから、自分の課題を見付けます。そして、その課題に取り組みます。例えば「国語の文章題の読解」や「算数の工夫した解き方」などの教科の課題もあれば、縦割り班の活動に向けて「低学年の子どもたちへの指導」といったものもあります。
その課題への取組に対してアドバイスを教師も行いますが、生成AIも活用しています。生成AIを「AIあいちゃん」と名付けました。A4の用紙を読んでいる写真は、「AIあいちゃん」からのアドバイスを読んでいるものです。このAIあいちゃんからのアドバイスを受けて、子どもたちは「AIあいちゃんが、いろいろな考え方を提示してくれて、例も示してくれるのでわかりやすく、参考になります。」と言っています。
インターネットで得た情報について、「誰が、いつ、どのような目的で発信した情報か」を吟味させる活動を取り入れることによって、情報源の特性を比較して認識させた。両者の違いを比較させることで、表面的な情報だけでなく、深い理解につなげる。このような情報の関連性を見付ける授業を行うことにより、情報活用能力を育成する。
日本の工業生産について学んだことを、「Canva」のホワイトボードで共有し、新たな学習問題を設定しました。その後、学習を進め、本時のねらいに迫っていきました。
同じ数のまとまりに着目して、「L字型」に並んだものの数をかけ算を使って求める単元です。「MetaMoJi ClassRoom」で配信したノートに、自分の考えを書きこみ、画面共有をしました。互いの考えを伝え合い、学びを深めることができました。
それぞれの練習の場には、自分がやろうとしている技のポイントが動画ですぐに見られるようにタブレットを配置しました。また、カメラ機能で技を撮影した後、すぐに動画を見ながら、手のつく位置や膝の伸び具合や着地の姿勢などをグループで確認していました。
タブレットを活用することで、個々のめあてに向かって活動でき、ふり返りも確実にすることができました。
総合的な学習の時間に学んだことをまとめるために、グループごとに新聞づくりをしました。「MetaMoJi ClassRoom」で共有したテンプレートを使い、割り付けを分担して、同時に新聞づくりに取り組みました。また、アンケート機能を用いて、記事のトピックの中に児童の感想・意見をグラフに表して掲載していました。
1学期の新聞づくりで学んだことを生かすとともに、新たな知識と技能を身に付けています。
消防署の見学にタブレットを持参し、消防署の設備や道具を撮影してきました。また、消防署の方の説明を聞いたり、インタビューをしたりして分かったことを「MetaMoJi ClassRoom」でまとめて発表しました。自分が見つけたものを自分の言葉で伝えることができました。
朝の活動のモジュール学習(15分間)に、「ジャストスマイルドリル」の漢字ドリルを用いて、各自の習熟度に合わせて漢字の復習を継続して行っています。
学校周辺の秋の生き物や植物を、タブレットで写真を撮り、「MetaMoJi ClassRoom」で配信したノートに、写真の貼り付けて感想を入力しました。作成したワークシートを用いて、友達と意見交換をしました。
お菓子の箱やラップの芯など、身近な材料を使って手作りの楽器を図工の時間に作りました。音楽の時間に、作った楽器の音色を発表し合い、その様子をタブレットのカメラ機能で動画や静止画で撮影しました。映像として残すことで、世界に一つしかない楽器を作った記念になりました。
阿波市教育委員会や阿波市教育研究所から指導者に来ていただいて、子どもたちに一人一台タブレットの活用やプログラミングについて教えてくれます。子どもたちは、すごく楽しみにしています。